COVID-19の感染拡大に伴う緊急事態宣言のため、5月6日まで本学部では授業を遠隔授業に切り替え、教員も含めてキャンパス内の立ち入りは制限されています。
大学に電話してもおりませんし、郵便物等の対応には遅れが出ますので、ご承知おきください。
メールか、このサイトから問い合わせていただくのが良いと思います。
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私はほぼ東京にいた人間なので、この震災で直接的に被害にあったとか、友人を亡くしたとかいうわけではありません。
私が21歳、大学3年生の時に起きたこの震災、そして、この後に起きた地下鉄サリン事件は、自分の人生に大きな影響を与えたと今でも思います。
当時の東大では3年生で基礎看護学を学び春休みの時期に最初の実習を経験するという状況でしたので、自分自身も看護コースを選択することはあまり実感がありませんでした。
高校生のころから、日本の医療が良いものだとよいなぐらいの関心はあったのですが、医療従事者になることは責任の重いことだという認識があり、高校の時から忌避的でしたし、少なくない友人たちが医師を目指すってだけで凄いなあと思っていました。
大学に入ってから、いろいろ考えて、文科Ⅲ類から健康科学・看護学科に進学して、授業はとても面白かったし、夏のラボメソでは実験衣に袖を通し色んな実験をして理系学生体験もしていました。(そういえば理系の友人達は教養の時に実験頑張ってました。)
この震災で自分の人生で初めて比較的身近に多くの人が亡くなる状況に直面し、少なからず無力感にも襲われました。そんな中、看護が学べる大学が15校ぐらいしかなかった時代に将来を期待されて編入学してきた看護師免許を持つ年齢的にはお姉さんの同級生達が大きな荷物を抱えて、医療ボランティアに向かっていました。当時はDMATとか、災害ボランティアみたいな仕組みが組織化されていませんでしたし、携帯電話やインターネットもそれほど普及していませんでしたから、自分で情報を集め、判断し行動する姿勢が私には気高く、力強いものに見えました。
また地下鉄サリン事件の時には、障害児の支援の仕事がキャンセルになり、大学に向かおうと日比谷線の広尾駅の改札前で遭遇しました。地域柄外国人の方が多く状況が把握できずにパニックになっている様子もあり、安全を確保しながら駅員さんの説明を簡単に通訳したりしました。(その時はサリンではなく爆発だと駅員さんは話していたと思います。)
勉強ということでは同世代の中ではできる方だったと思いますが、こういう時には頭の中の知識だけでは役に立たないことが沢山あることをこのころの自分はあまりわかっていなかったと思います。せっかく医学部というところに籍を置いているのだから、自分にできそうなことは看護も含めて、できるだけ学んでから卒業したいというのが、今の自分にできることだと感じていました。
酷い災害や事件でしたので多くの犠牲は周囲の人たちに多くの悲しみを与えたことでしょう。そしてその犠牲は私自身を鍛え、育ててくださったような気が今でもします。またこの仕事がそういう因果な職業であること、高校生の時に感じていた責任よりもずっと重い部分も教えてもらいました。
とはいえ、私は今も看護を職業にしています。
私が所属している日本在宅ケア学会政策提言検討委員会からの発信として、コミュニティケアの12月号に短期集中連載として日本在宅ケア学会政策提言委員会からの発信 第2回 「在宅ケアを元気にする包括的なデータベース構築のグランドデザイン」という短い解説が掲載されました。
在宅ケアに関わる情報にどのような特徴があるのかを示した上で、今後のために外科系NCDのようなデータベースの構築の必要性を唱えております。
この活動については、1学会で取り組むというスタンスのものではありませんので、データサイエンスや情報系の方からも忌憚のないご意見をいただければと思っています。
前職の首都大学東京で在宅看護を一緒に担当していた戸村ひかり先生が編著者となられた「よくわかる退院支援」が学研メディカル秀潤社から刊行されました。私も共同執筆者として協力させてもらいました。
図鑑で有名な学研から出ていることもあり説明には図が多く、タイトルの通り退院支援が「よくわかる」書籍です。学生実習や新人教育でも使えるような平易さではありますが、退院支援に長く関わられている研究者や現場の方が書かれているので内容は本質的なものですので、関心のある方には是非ご一読をオススメします。
私が首都大学東京に着任した15年ほど前から退院支援の授業や実習を行ってきました、当初からご協力いただいていた川崎幸病院の皆様や、その後にご協力いただいていた都立大塚病院、健和会柳原病院の看護職の皆さんにご協力を頂いており、首都大での退院支援の教育の集大成的なものを戸村先生が作成してくださったことに心から感謝します!
ご案内が遅れましたが、成人看護学 成人看護学概論(改訂第3版)が3月末に刊行されました。今年は改訂でしたので全体的に地域包括ケアとか、介護者としての成人など時代に合わせた変化が加えられています。
私の担当は成人の生活習慣関連ですので、それほど大きな変化はないのですが、インターネット関連の問題について少し追記しています。
編集過程において統計データを最新版にしていたのですが、一部古いものが残ってしまっており第2刷からは修正されます。第1刷の購入者の方には出版社のサイトで正誤表が出されております。今後、このようなことがないよう、編集の方々とタッグを組んで気をつけたいと思います。
◎南江堂ホームページ 正誤表