今どきの高校生の看護師像

この数年、高校生対象の模擬授業や大学訪問の対応、入試の面接などをしていて、何となく感じるのですが、高校生が考える看護師の仕事を「注射や点滴をする人」「患者さんや家族のお話をきいて心のケアができる人」と答える人が結構多い。少ししつこく「その他にはどんなものがある?」って聞くと、困ってしまうそぶりを見せるので、さすがにそれ以上は意地悪く尋ねはしませんけど。

今どきの高校生には看護師がケアをする専門職だという認識はあまりないのかもしれませんね。術後の離床を促すために、患者さんの動きを逆算して鎮痛剤をつかったり、トイレで排泄したいという気持ちをうまく引き出したり、そういうところにプロの技があるし、インファントウォーマーにいるお子さんのAラインの波形が鈍くなってきたら、入れ替えに備えて日勤の間に反対側の手をきれいにして準備したり、飲水や食事制限のある患者さんに上手に進めていくためのコツをお伝えしたりする。私はそういうクリティカルなところから日常の生活まで、患者さんの生活を看ながら、治療とのバランスをとりつつケアするのが看護の醍醐味だと思っているのだけど古臭いのかなあ。

介護職が一般的に知られるようになったこととか、若者の生活環境がよくなったり病気にならなくなり、生活の中で苦痛を感じる体験が少なくなったことの裏返しなのかも。

在宅看護専門看護師養成課程の更新

まだ書面では確認していませんが、日本看護系大学協議会から在宅看護専門看護師(CNS)の養成課程として、私たちの大学院の更新申請が認められたそうです。

いわゆる38単位の課程に踏み切ることは現時点ではできませんでしたが、26単位の課程をあと5年(実質は4年ぐらいでしょうか)続けられることになりました。都内には他にも2つの課程が私学で開講されていますが、本学で比較的安価に教育を提供できる場を維持できたことは、これまでの実績がある程度評価していただけたのだと思います。

在宅看護CNSに関心のある方は、受験の前に河原教授と面接をして頂くようにお願いいたします。

共分散構造分析の情報の整理

本日、聖路加国際大学の中山和弘先生に特別講義として、共分散構造分析について講義をしていただきました。使用する意義といったあたりを強調して説明して頂きました。

この機会にSEMについて情報を整理しておこうと思います。(いい情報があったら教えて下さい。 😛 )

分析ソフトウェア

ちゃんと機能別に一覧ができるとよいですが、調べる時間がなくて

AMOSSPSSのグループ製品。グラフィカルなインターフェースで操作が容易
SAS
R SEMライブラリフリーウェアですが、関連書籍・サイトは充実
M-plus様々なオプションが利用でき、マルチレベルSEMに対応、ただ購入は英文サイトからになる
HADEXCEL上で動くマクロプログラムだが、高機能でマルチレベルSEMにも対応

関連書籍

地図を書きたい!看護研究者の方へ

先日の看護科学学会で、FACEBOOKなどでつながっている数名の研究者の方から、呼び止められ「清水さんがアップしている地図ってどうやっているんですか?」と問い合わせがあったので、ソフトや書籍の紹介のページをご紹介します。

私自身は単発的に簡単な塗り分けをしたい時は、MANDARAを、科研の研究などで条件を変えて繰り返し分析をする時にはArcGISを使っています。でもArcGISはちょっと難しい。

こんなことしたい!とか操作方法についても、わかる範囲でお答えしようと思いますが、関連の書籍は一度目を通してからにしてくださると助かります。

荒川キャンパスの情報処理室には両方のソフトともインストールされているので、講習会的なことを実施することも可能ではあるのですが、そこまでの指導力はないかな…。(色々人を集めれば可能かもしれません)

第5回日本在宅看護学会学術集会に参加

久しぶりにブログを更新します。聖路加国際大学の山田雅子先生が大会長を務められた日本在宅看護学会で発表等々をしてきました。

正確な数は把握していませんが、大変多くの参加者が来場され、午前中に開催した在宅看護論実習についての交流集会は参加者が30名程度という話で準備を進めていたものの、会場への入場が可能となった開始15分前には私たちと一緒に参加者の方で席が埋まる状況で、開始時までに若干席を追加しても立ち見の方も大勢となってしまいました。

これでは交流のためのグループワークができないので、メンバーの先生が気を効かせて、プログラムが終了した別の部屋を確保してくださり誘導してくださったので、グループワーク時には写真のように少し余裕のある状況で対話をしていただくことができました。(感謝!)

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在宅看護の実習については、もちろん各教育機関ごとに創意工夫をしておられると思いますが、学校や地域毎の事情や制約もあり、もっと良い方法がないのかと関心をお持ちの方が多いことがよくわかりました。カリキュラム改正を見越して、色々提言やモデルの提示などに取り組むことになると思いますが、会員向けのこうしたイベントは継続して行く必要があると感じました。

この交流集会では、先日発行されたコミュニティケア臨時増刊号「訪問看護師・教員・学生すべてが成長できる“在宅看護”実習―“看護の本質”を体験できる!」 の一部も紹介したのですが、会場内の書店では売り切れになってしまったとのことで、こちらも想定以上だったようです。

また最後にはシンポジウムに来られていた地域看護CNSの馬庭恭子さんにご挨拶することができました。馬庭さんにはCNSコースの開設の際に東京都の大学としてどのような特徴を出していくべきかについて広島に伺ってアドバイスをいただきました。10年が経過し延長申請をするに至ったこと、修了生が在宅看護CNSとして活躍し始めていることへのお礼を申し上げることができました。

午前中の萱間先生の精神科訪問看護についての講演は内容もさることながら、研究者としてのあるべき姿勢を問われたような気がして、率直に「自分も頑張ろう」と思えました。午後はポスター発表や演題発表の座長などがあり、関心のあった他の発表やシンポジウムなどは拝見することができず、とても残念でしたが、山田先生ならびにスタッフの皆さんの尽力にも支えられ活気にあふれたよい学会でした。

白衣を捨てて街に出よう!