金曜日が年内の勤務の最終日でしたが、私は在宅看護についての話し合いのために都内の某大学まで出張してきました。
何のための話し合いかというと、看護職の養成カリキュラムの基準となっている「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」という厚労省の省令の中では、在宅看護に関する教育は「在宅看護論」となっているのですが、これを「在宅看護学」という名称に変更できないのかなというお話でした。
学問の世界は自由なものなので、〇〇学会とか、〇〇学という名称を勝手につけて標榜していても特に問題になるということではありませんが、広く認知されるには、学問的に体系化されているかどうかとか、その分野を担う研究者が一定程度いて、研究活動が実質的に行われているのかどうかといったことが要件となると思われます。
「在宅看護論」がカリキュラムに加わったのは1996年の改正の際で、介護保険法の施行を見越してという時代背景がありました。その頃は確かに上に書いたような要件は満たしていなかったから「論」になったのだと思われます。現状はずいぶん研究者も増え、在宅看護専門看護師も誕生し、日本在宅看護学会も創設され、研究論文も増えている状況なので、それなりの立場の先生が声を上げれば、カリキュラム自体の変更はなされるのではないかという気もするのですが、皆さん真面目なので、この際にこれまでの研究成果の整理や、ほかの看護領域との違いを明確化したいというお話しだったので、今後は在宅看護の体系化を図ることを目的としていくことになりました。