博士前期課程の在宅看護CNSコースの講義をしてきました。
今日のテーマは、「ケアマネジメント」と「訪問看護ステーションの経営と在宅看護政策」についての講義でした。
院生さんは二人とも、介護保険のケアマネジャーでもあるので、前半のケアマネジメントについては教えることもないって感じですが、そもそもケアマネジメントの理念がなんであったのか、ケアマネジャーの現状はどうなのか、何が不足しているのかなど、議論中心の講義の展開でした。
後半のステーションの経営と在宅看護政策についても、所長と事業所の新規立ち上げをしたばかりのお二人には、細かな話をしても仕方がないので、平成21年の報酬改定から訪問看護支援事業の成果のあたりを概説し、「なぜ(小規模では採算が合わないのがわかっているのに)立ち上げ当時から10人程度のステーションを意識した制度設計をしなかったのか?」とか、制度はできたもの運用面で普及しているとは言えない「看護師による居宅療養管理指導」や「療養通所介護」「複合型サービス」について議論しました。
また、CNSには地域全体を見通して考える力を求めているので、GISを使った近隣地域のサービスを含めたニーズの把握の方法や街づくりや防災といった点からも議論をしました。
本来は生活モデルを意識するはずの地域包括ケアの推進の動きの中で、「地域の病院化 道は病院の廊下で…」みたいな過度にMedicalizationされた文言が出てくるのか、今度、猪飼周平さんにも伺ってみたいと思います。病床数が減らされるからと言って病院の医療や看護をそのまま在宅に持ち込んでくることが、療養者にとって迷惑なのかどうかは分からないけど、療養者の評価をないがしろにはしてほしくないものです。