妻の紹介で辰巳芳子氏の「食といのち」を読んだ。
辰巳氏は料理研究家で、私はあまり存じ上げなかったが、本書の中では看護師の川嶋みどりさんや小児科医の細谷亮太さんと「いのち」に関わる食事の話が対談形式で書かれている。
今年のオープンキャンパスで学科長が看護とは?を参加者に解説されていたが、一般的に看護と介護の違いがよく分からないという話をよく耳にする。学科長の説明もそうであったが私はこの場合、似ているものの違いを殊更に強調することよりも、看護師はこういう風に物事を捉えて実施しているということの方が大切なのではないかと思う。
その点で本書では川嶋先生は食事を栄養素の話ではなく、「食」として、また「生きる糧」として看護がどのように考えているのかをわかりやすく示している。川嶋先生以外の対談もだが、平易な書き方になっているので、高校生や一般の方々にも読んでいただきたい本だった。